増田俊明著「はじめての応力」は類書のない参考書です.

静岡大学理学部教授 増田俊明著「はじめての応力」(朝倉書店, 2010, 本体価格\2,700) は他に類書のない参考書です.
漫談調のユニークな文体で,教科書というより読み物という雰囲気で始まりますが,知らず知らずのうちに「応力テンソル」の概念にたどり着き,概念だけではなく演習問題を通じて数値的にも理解できるように工夫されています.「応力テンソル」をはじめて学ぼうとする者には最適な参考書です.

なお,著者は地球物理学が専門のため,垂直応力は圧縮応力を正と定義しています.機械系の読者も,そのように定義しているのだと理解しておけば,混乱することはないでしょう.

はじめての応力