金谷健一著「3次元回転」が発売されました.
岡山大学名誉教授 金谷健一氏の新著「3次元回転 / パラメータ計算とリー代数による最適化」が共立出版より発売されました(本体価格2,700円).第1章~第3章では,姿勢とその表現方法(回転行列,オイラー角,四元数)について解説し,第4章~第7章では回転前後の座標値から回転行列を推定する方法について解説しています.応用数学系の数学書ですが,著者の他の著書と同様に,工学系の技術者でも読み進めることができるように構成が工夫されています.なお,オイラー角の定義は数学分野でよく使われているものとなっています.初版の正誤表は,共立出版のサイトでダウンロードできます.本書の後半で使用される特異値分解という線形代数の手法については,同氏の「線形代数セミナー / 射影,特異値分解,一般逆行列」(共立出版, 2018)が明解で詳しいです.
2020年8月には英語版も出版されているようです.Kenichi Kanatani, 3D Rotations: Parameter Computation and Lie Algebra based Optimization, Chapman and Hall/CRC